741 の大変形解析で、ドリリング項の接線剛性の誤りにより Newton 法の収束が遅い
概要
741 シェルの大変形解析(TL・UL の有限回転)で、ドリリング安定化項の接線剛性に、内部力には無い非対称な項が入っている。弾性材料では直接法(MUMPS 等)を対称モードで使うので、この項が上三角の鏡映に置き換わり、Newton 法が1次収束に落ちる。収束後の変位は変わらない。
原因は static_LIB_shell.f90 の ShellMITC_AddDrillingStiffness である。有限回転ではドリリングの一般化ひずみ Cv_disp をドリリング角 nddrill から作るのに、その微分 Cv_deriv_disp に、ダイレクタの回転による Cv_theta の微分を含めている。
片持ち板(741、NLSTATIC、先端たわみ約 2.0、MUMPS、2サブステップ)の Newton 反復回数は次のとおりで、ドリリング係数が大きいほど遅い。
| 材料 | 反復回数 |
|---|---|
| 等方、alpha_over_mu 1e-4 | 8 |
| 等方、alpha_over_mu 1e-3(既定) | 12 |
| 等方、alpha_over_mu 1e-2 | 26 |
| flag=1(E1=140000、E2=10000、G=5000、繊維 90°) | 32 |
反復ごとに「Relative residual exceeded 1.0d-8---Direct Solver」が出る。要素の接線剛性を内部力の中心差分と比べると、ドリリング以外は相対 2e-10 で一致し、ドリリング項だけが 1.5〜2.9% 異なる。反復法(CG)では影響が小さく、既存テストでは見えていなかった。
#783 (closed) の再現確認の中で見つけた。